ひみつノート

とりとめのないただの日記です。

パッチワークと藤原伊織とノルウェイの森のこと

だんだん体調が良くなっていると思っていたらまたぶり返したのか調子を崩している。

寝込むほどではないけれど、本当にしっかり治したいので大人しく家で過ごしている。仕事は少しだけしていて、早く、休んでいる分の仕事も再開したいけど、無理して悪化させたくないので慎重になっている。


休んでいる間にパッチワークを始めた。元々は、薬のせいで不眠になったのでそれをきっかけに始めたのだった。

パッチワークは、端切れを繋ぎ合わせていくだけの単純なものだと思っていたけれども、やってみると全然簡単なものではなかった。説明書を読みながら1人で夜中に端切れをカットして、まち針を打ち、縫い合わせていくのだが、最初のうちはまあ間違えた。

「中表」といって、生地の表面を内側どうしにして縫い合わせるのを、なぜか毎回必ず逆で縫ってしまい、毎回糸を外して縫い直していたので倍時間がかかっていた。

夜中に、「腹痛て〜」(お腹の調子が悪かったので)と思いながらやっていたのが悪かったのかもしれない。けれどもだんだん慣れてきて中表を間違うこともなくなり、最初の1枚を綿を入れてひっくり返すというところまで出来た。けれども、説明書にステッチの部分に鉛筆で線を入れろと書いてあったので入れてみたけれど、絶対鉛筆でなんか描かない方が良かったという見た目になってしまい、そこから先に進む気持ちが削がれている。


あとは、電子書籍藤原伊織シリウスの道」を読んだ。

この人の作品は「ひまわりの祝祭」に続いて2作目だけど、全部こういう、生きる苦しさ、人生の甘くなさを突きつけられる作品だったらどうしようという気持ちになった。

でもまた読んでしまいそう、好きは好きなので・・・。


そして今また久しぶりに村上春樹ノルウェイの森」を読んでいる。小説は読むタイミングで感じ方が全然違うものだけれども、初めて読んだ10代の頃は、直子という女の子がいながら緑に心を支えられているワタナベ君が許せなかった。

もう少し歳をとって読んだ時は、でも緑がいてくれたからワタナベ君は直子にずっと寄り添えていたんだな・・・と思うようになった。

そもそも私は、ワタナベ君はとても人間的にできた人だとずっと思っていた(直子へ接し方が優しいし、落ち着いているし、人の話を聞くし、緑のお父さんとも打ち解けられるし、レイコさんにも手紙を書いてくれる)。

けれども今改めて読むと、意外と人とケンカとかしてるし、自分の中で納得のいかないことがあったらプチストライキをしたり、けっこう頑固というか、全方位に優しいわけでは決してないんだなということに気づく。だとしても直子に対しての愛情は本当に深いなと感じるんだけど。


私が初めて「ノルウェイの森」を読んだのは、高校の時の夏休みの補習で使っていた現代文の問題集の中でのことだった。問題集に、レイコさんがピアノの教え子の女の子について語る部分だけが抜粋して掲載されていた(すごい難曲を初見でバーッと弾ける人がいるけどだからといって努力ができる人ばかりではないという話のところ)。

当たり前だがそこだけ読んでもどんな話なのかさっぱり分からなかった。その数ヵ月後に人に借りて「ノルウェイの森」を読んで、まさかレイコさんと教え子の女の子があんな展開になるなんてとひどくびっくりした。あの展開の直前のあの部分を抜粋して問題集に載せた人すごいよなと、今でもしみじみ思う。