ひみつノート

とりとめのないただの日記です。

最近読んだ本 2022年 3月

もう4月も終わりそう。

 

神の子どもたちはみな踊る

村上春樹

阪神淡路大震災をテーマに書かれた短編集。地震をテーマに、こんなにも様々な切り口で物語を作れるというのがすごい。これも高校生の時に初めて読んで、「かえるくん、東京を救う」が衝撃的すぎて、学校から家に帰りながら友達に熱弁していたのを覚えている。一番最後の短編の主人公は小説家なのだが、彼はこんなふうに思って物語は終わる。「これまでとは違う小説を書こう、と淳平は思う。夜が明けてあたりが明るくなり、その光の中で愛する人々をしっかりと抱きしめることを、誰かが夢見て待ちわびているような、そんな小説を。」この部分を読んで、感情がうわっとなって泣いてしまった。最近、各SNSでは人の叩き合いが激化していて、やられたらやり返す暴露合戦のようなものが横行していて、嫌なら見なければいいだけの話なので私にその人たちをとやかく言う筋合いはないのだけれど、でもクリエイションというものが本当に、争い合うだけではなく、受け手の心がそっと暖まるような、そんなものがたくさん生み出されればいいと思うし、もし自分がこの先何かを作るとしてもそうありたいと思ったのだった。

 

姫野カオルコ

「ツ、イ、ラ、ク」のアナザーストーリーのような短編。それで思い出したけど、femaleというオムニバス映画の中で「桃」は映画化されていたのだった。懐かしい。長谷川京子主演だった。けれども、この短編をそのまま映画化した訳ではなく、「ツ、イ、ラ、ク」のほうからストーリーを持ってきたという感じだった。この本を読んで思い出し、また観たくなっている。この「桃」自体は、本編とは結構別物なんだけれども、本編を読んでいる人ならより深い視点読むことができると作者もあとがきに書いている。もちろん様々な視点で興味深く読めたけれども、主要人物のアナザーストーリーも読んでみたかったなと思った。

 

すべてがFになる

森博嗣

10年前、1人でヨーロッパに旅行に行った時、この本を1冊だけ持っていった。1人だったので、ふとした時に読んでいるとすぐ読み終わってしまって、8日間の旅行中丸々2回読んだ。そのせいか、久しぶりに開いたら文庫のページの淵が日に焼けて茶色くなっていた。それでも久しぶりに読むと、細部は覚えていないものである。この物語には天才的頭脳を持つ人が何人も出てくるので内容がとても難しい。私はもちろんそんなに頭が良くないし、数学は全く分からない。なのにこの物語は面白い。これは本当にすごいことだ。実を言うと森博嗣は高校生ぐらいからずっと好きなのだ。仕事に追われて全然本を読めなくなって、このシリーズからずいぶん遠ざかっていたけれど、今また1から制覇するぞというやる気に満ちている。