ひみつノート

とりとめのないただの日記です。

春に映画館で映画を観た

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(前編)を観た。

 

映画館でアニメ映画を観るのはエヴァンゲリオン以来なので久しぶりだった。公開してけっこうすぐ行ったのに、運悪く小さいスクリーンの時間帯に行ってしまったので大画面で観られなかったのは少し残念だった。

 

その日は映画館が割引の日だったからか、春休みだったからかで10代らしき若者がたくさんいた。ロビーにもたくさんいたし、スクリーンに向かう通路内にも大量にいた。今の若い人たちは一体何を観に来てるんだろうと調べたら、おそらく「四月になれば彼女は」という映画なのだろうということが分かった。

なんにせよ、映画館が人で潤うのはとても良いことだ。

 

その時間帯のデッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(以下デデデデ)は、10人くらいの人が観に来ていて、パッと見た感じ私と同じ1人客が多かった。みんな浅野いにおファンなのかなあと思うと、「同志・・・」という気持ちになる。

 

この作品がアニメ映画化されると聞いてから、相当力を入れて制作されているんだろうとなんとなく勝手に思っていた。なので、結構期待して観てしまったのだが、期待通りというか期待以上というか、とにかくすごく良かった。

小山門出役が幾田りらさん、中川凰蘭(おんたん)役があのちゃんだと発表されて、2人ともなんてピッタリのキャスティングなんだろうと思ったけれど、実際に映像で観ると2人の声と演技が最高に合っていて、1ミリも違和感がなかった。

特にこの、おんたんというキャラクターはずっと変なことを言っている軍事オタクみたいな女の子なんだけれども、その、ここにいるのに違う世界にいるみたいな発言が私はとても好きで、あのちゃんが声をやることで良さが何倍にもなっていた。

 

このデデデデは東日本大震災の少し後に連載が始まった。

私の勝手な感想なのだが、最初連載が始まった時は、東日本大震災を受けて、日本が大変なことになっている事実を、宇宙から侵略者がやってきたということに置き換えて表現しているのかなと思ったのだ。(おやすみプンプンの中でもプンプンが震災の映像を見て苦しんでいる描写が出てくるので、いにお先生が何も感じていないわけはないと思っていた。)

東日本大震災の時にあった自粛ムードや、見るとなんともいえない感情になるCM、ネットの陰謀論を信じる人々なども漫画に変換されて表現されている。そしてUFOの出現から数年経ち、隣りで戦争をやっていてもどこかそれが当たり前になってしまい、平和ボケした日本人が外国人から揶揄されるシーンも描かれている。

 

宇宙人の侵略というSFに置き換えられているけれど、それはほとんど私たちの現実というか、今現在起こっていることで、目を逸らしてはいけないことなのだと思う。

だからこそ、作中に出てくる門出やおんたんのふんわりした日常がかわいくて、些細なパーツもおしゃれでかわいくて、セリフも関係性もかわいくて、永遠にそんな日々が続いてくれればいいのにと思ってしまう。

当たり前だけど原作の中で端折られているシーンも多いので、ぜひ映画だけでなく原作も読んで欲しいと思った。

 

映画は、原作漫画と構成を変えて作られている。なので、原作通りに話が進むと思っていたらびっくりしてしまう作りになっていた。その分、後編でまたしっかり回収してくれるんだろうけど、なかなかショックの大きい前編である。

しかも、浅野いにお先生監修で、後編は原作とは違うエンディングになっているという。

 

私は、これは良いなと思った。これから漫画を読む人にとっては特に、映画で観たのと違う結末が待ち受けていると思ったら、2回ドキドキが待っているのだ。

どんなに忙しくても後編はちゃんと映画館で観たい。クオリティがすごいのはしっかり分かったので、観てよかったと思えるラストだったらいいなと思う。