ひみつノート

とりとめのないただの日記です。

2023年 3月24日

甥っ子が保育園を卒園するので、送り迎えの「送り」を妹に便乗してやらせてもらった。妹と甥っ子と3人で保育園までの道を歩くとき、甥っ子が何も言わずに左手を私、右手を妹につないできて、3人で手をつないで歩いた。

妹が「幸せ!」と言って、甥っ子の手は小さくてとてもホカホカしていて、確かにこれは人生の中で上位に入る幸福だった。

 

保育園に着いて、妹が先生やママ友に私のことを「姉です」と紹介してくれて、私も「お世話になってます」と挨拶をし、なぜかそこで唐突に泣きそうになってしまった。叔母が保育園で挨拶して泣いたら本当に謎だし恥ずかしい。

妹家族は実家から離れた所に住んでいるので簡単には会えない。今は私の自由がきくので比較的会いに行けるけど、この先あんまり会えなくなるかもと思うと寂しかった。甥っ子を送ったあと、そこから仕事に向かう妹を見送るのも寂しかった。妹は近くにいて欲しい人なのに近くにいなくて、私は私で別の人を選んで結婚した。これからは夫と生きていくのだ。それはいいんだけど、他の好きな人とももう少し近くにいれたらいいのにと思う。


1人になって、ピカソ展を見に行った。何回も行ったことのある美術館だったのに、コロナ禍になって来ていなかったので数年ぶりに行くとめちゃくちゃ遠かった。厳密に言うと、駅までがものすごく遠かった。

美術館への片道で5700歩歩いていた。この時点で、私が日常的に歩く歩数の5倍歩いていた。

ピカソ展は面白かったし、ピカソは私はそこまで好きではないけれどエネルギーがすごいので見ていて楽しい。企画展は、その主人公の作品以外はあまり知られていない芸術家の作品が多く飾られている場合が多々あるのだけど(私の勉強不足で)、今回はジャコメッティマティスパウル・クレーなど、私の好きな人ばかりだったのでとても楽しかった。

ただ、前日ほとんど寝られなかったので、意識が朦朧としていたのも事実。見終わって休憩用の椅子で寝てしまいたかったけれども、非常識なので我慢した。


帰りにそば屋に寄って、ざるそばを食べた。「ざるそば」で頼んだだけなのに、大葉の天ぷらがついてきた。ちゃんと、ゴマをすってその器につゆを入れて食べる、非常にきちんとしたおそば屋さんで、美味しく食べさせていただいた。

1人で街中をうろうろしながら、その自由さに喜びを感じながら、この10年、20年でずいぶん環境が変わってしまったことが寂しくなった。あれはかけがえがなかった、というのはいつもその時に分からなさすぎる。7年ぐらい経ってみてようやく分かる。多分私はこれからもずっと寂しいのだ。