年が明けて1月4日からさっそく病院だった。 お正月休みが終わって、混んでいるイメージがあったけどそうでもなく、採血待ちスペースも人はいるのに静かで静謐とした雰囲気さえあって、不思議だった。
診察は年が明けても特にいつもと変わらない。2つの科を受診しないといけないんだけど、1つ目は症状が安定しているので現状維持の治療、ずっと悪かった2つ目も、年末からずいぶん落ち着いてきたのでこのままやっていきましょうということで診察が終わった。
会計受付の列に並ぶと、後ろのおじいさんに声をかけられた。
「これは、この列に並んで、受信票を会計で見せればいいの?」
「そうです。」
「だいぶ時間かかりそうだね。」
その時点で、7、8人並んでいた。いつも、もっと長蛇の列になっている時もあるし、長くても意外とスムーズに進む時もある。なので、
「意外とすいすいっと進む時もあるので大丈夫ですよ。」
と、明るく答えた。なのにその日に限ってややこしい会計が多かったのか、全然スムーズに進まなかった。我々の後にも、どんどん列が伸びていく。
全然すいすい進みませんね、すみませんおじいさん。と思ったが、初対面の人なので何も言わず黙っていた。おじいさんも、もう何も言わず黙って並んでいた。私の番になり、会計の受付が終わって立ち去る時に、「じゃあ」くらいおじいさんに声を掛けるべきかと思ったが、結局何も言わずに立ち去ってしまった。
会計の受付が終わっても計算し終わるまで30分ほど時間があるので、うどん屋に入ることにした。
ずっと絶食に近い食生活を送っていたので、うどん自体食べるのは数ヶ月ぶりだった。久しぶりにうどんが食べられて嬉しいけれど、お腹の調子が悪くならないかという怖さもある。
天かすを抜いてもらったかけうどんを、1本1本ゆっくり食べた。私が食べるのが遅いので、後から来た人が次々帰っていった。
体調が悪くて絶食していた人が重湯を食べられて感動したという話を聞くことがある。私も、うどんが久しぶりに食べられて嬉しい気持ちはもちろんあるけれども、感動するほどではなかった。
本当に、5ヶ月ぶりぐらいのうどんだったのに。他に良いものを食べていたわけでもなく、おかゆと豆腐くらいしか食べられてなかったので、感動してもいいものなのに。
体が本調子でないこともあるだろうけど、最近とにかく感性が鈍っているのだ。なさけないことである。
でも、今放送している月9「君が心をくれたから」で永野芽郁ちゃんが味覚を失ってしまったので、味を感じられるだけでありがたいとは思う。「君が心をくれたから」は、ドラマとはいえ展開がきびしすぎると思って観るのがつらくなっている。