ひみつノート

とりとめのないただの日記です。

最近読んだ本 2022年 1月

ほぼ村上春樹しか読んでいなくてびっくりする。

 

1Q84 BOOK3

村上春樹

10年越しに1Q84を読破出来て感動しています。このBOOK3は、全体的に話に動きが無くて、ずっとほぼ同じ場所で来るべき時を待つ・・・みたいな感じだったのにつまらなくなくてすごいと思って読んでいて、と、いうか、牛河さん、牛河さんってねじまき鳥の牛河さんと同じなのかもしかして?1Q84の世界の人ってことですもんね?と、混乱する部分もあったのですが、われわれは、ここがどんな世界だったとしても、がんばってしっかり生きていかないといけないよということなのだなと思いました。

 

ラオスにいったい何があるというんですか?

村上春樹

2015年に出された紀行文集。そこからもう7年も時間が流れていて、世の中は全く別物になってしまった。コロナのことだけでなく、熊本に行ったことなど書かれているけれども熊本地震の前なので、熊本城には何も被害がない頃の話なのだ。今現在私たちは遠くに行くことが制限されているので、この本を読んで海外の鮮やかな風景を想像出来るのは素敵だった。私が旅行記を書いたとしても、絶対こんな表現は思い浮かびもしないだろうなと思う文章がたくさんあって、さすがの村上春樹だった。

 

羊をめぐる冒険

村上春樹

これももう読むのは何度目になるか分からない。が、改めて読んだら耳の女の子の影がとても薄いような気がして驚く。この続きの物語を知っているからそう思うのだろうか。生まれて初めてこの物語を読んだ時、特段悲しい話という風には思わなかった。けれどこの物語は読めば読むほど悲しい。主人公が落ち着きすぎているので悲しさが伝わりにくいけれども、この主人公はどんどん色んなものを失って一人になっていくのだ。これに出てくる「あなたは気が狂ってるんだ」というセリフ、村上春樹全作品の好きなフレーズベスト3に入るかもしれない。

 

半分、生きた

豊田利晃

歳をとったせいなのか、コロナの自粛のせいなのか、体を悪くしたせいなのか、私に昔あった熱さはずいぶんぬるくなってしまった。けれども豊田監督は今でもしっかり熱く、一文一文からそれが伝わってきてこちらまで 救われた気持ちになった。もともと豊田監督の映画が好きなので、時系列でその頃のことを語ってくれているのもファンとしては嬉しい。一番好きな映画はI’M FLASH!なんだけど、一番心に残っている映画はモンスターズクラブで、まさかあの時の瑛太さんがそんな背景を抱えていたなんてと胸を打たれる。私が映画が好きなのは、本当に真剣に良いものを作ろうとみんなが思わなければ、こんな良い映画は出来ないよな。という、人の真剣さをそこから感じることができるからかもしれない。